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子どもが抱えている悩みに寄り添い、今ある支援のその先にある可能性を見出したい

中道 秀尚 20代


放課後等デイサービスの事業所立ち上げに関わり現在は児童指導員として勤務


事業所のスタートアップから携わる社員の一人で、上司からの信頼も厚い中道さんは、大学院新卒として入社しました。「これまで心理学を学んできたのですが、発達障害については関わる機会が無く、そういった機会を得たいという思いがありました。悩みを抱えているお子さんと、マンツーマンで向き合う支援というところにも惹かれて入社しました」と入社の動機を話します。「事業所を立ち上げるにあたり、県外の状況を視察しました。一人ひとり丁寧にお子さんに寄り添うことができるサービスを提供する事業所を考えていたので、そのためには何が必要なのかを模索していました」。中道さんを含めたスタートアップメンバーの努力が実を結び、無事、事業所はオープン。現在は2事業所を運営しています。





お子さんの心を開くことは難しい。あせらずゆっくりと接していくことを心がけている


「お子さんと接することでしか学べないことがあります。また、分かっているつもりが、分かっていなかったのだと気づかされることもあります。ひとくくりに発達障害という目で見るのではなく、何を考え感じているのだろうと意識しながら聞き取りをするよう心掛けています。さらに、こういう障がいだからこういう特性だろうと思い込むのではなく、何が好きなのか、どんなことを楽しいと思うのかなどへも目を向けながら、お子さん自身の気持ちを考えることを意識しています」と、お子さんと向き合う仕事は、お子さんへの支援であると同時に、自身の発見や学びになるといいます。まずは信頼関係を築くことから。心の中を打ち明けてもらえるようになり、問題行動の真意が分かったことで、長年親御さんが抱えていたモヤモヤが解消されたということもあったとか。「本人も初めて言ったよという時もあります。自分が発した言葉を聞いて、自分が考えていたことが分かる。それだけで気持ちの整理がつくお子さんもいます」。お子さんと向き合っているうちに、もっと学びたいと思い立った中道さんは、指導員を続けながら大学院で研究の手伝いをとおして学び直しをすることに。





分からないことは学び直す。視野を広くすることで届けられる支援をみつけたい


「発達障害は、まだまだ分からない分野といわれています。今お手伝いをさせていただいている大学院は、自分が大学院で学んできた内容よりもさらに高レベルの研究をしているので、勉強させていただいているといった方が正しいのかもしれません。効果が実証されている支援方法も、全てのお子さんに有効ではありません。合わなければ別の支援を探し、様子を見ながら進めていきます。お子さんの目標がクリアできたらこれで合っていたと確認する感じです」と、お子さんごとに個別の支援が必要だと話します。「指導内容に行き詰ったときは?」と尋ねると、「同僚に相談し、一緒に計画を見直したり、時には、その子の視点に立って話してみることもあります。そうすることで、多くの場合別の視点が見えてきます。それでも分からないことは、日々試行錯誤しながらお子さんに寄り添い、ゆっくりと対話していくようにしています」。さらに、一人で関わっていると視野が狭くなりがちなので、視野を広くすることが求められるといい、一筋縄ではいかないからこそ、このサービスが必要。行き詰っているお子さんや親御さんが相談できる場所でありたいと話します。





私生活の充実が余裕をもたらし、余裕があれば新しい挑戦も見えてくる


困っているお子さんに寄り添い、サポートすることに全力を注いでいる中道さんに、今後挑戦したいことを伺うと、「心理の世界でスキルアップをしたいです。信頼する助教のもとで学びなおし、得られた支援内容を論文のような形で発表できたらと思っています」とのこと。また、心理学を学ぶことや発達障害のお子さんと関わることで大切なのは、自分に余裕があることだといい、「自分に自信がないと他人に優しくできないですし、私生活が充実していないと、お子さんの悩みに寄り添うことはできないと思います。そのために、自分の時間を確保する努力は惜しみません」という徹底ぶり。さらに、確保した時間を何に費やしているのかと尋ねると、「ゲームとアニメです。時には、心を閉ざしていたお子さんが、ゲームの話をした途端に「おお!」となることも。それがきっかけで、困っていることを話してくれるようになったこともあります。障がいがある、なしに関わらず、お子さんは様々な支援を求めています。まだまだ手探りなところが多いからこそ、心理学の研究が必要です」と話す中道さん。手がけた研究論文の発表に期待が高まります。





代表から一言


株式会社WALLESS(ウォレス)は、誰もが笑顔で暮らせる社会の実現を追求し、生きやすい地域づくりを目指しています。男性も女性も若者も高齢者も、障がいを抱えている人もいない人も、「『働く』を通して輝く」「個人の特性を組織に戦力に」を合言葉に支援をしています。
ウォレスアカデミー(放課後等デイサービス)では、困難さを抱えたお子さま1人1人に向き合い、50分間マンツーマンで支援をしています。中道指導員をはじめ現在10名のメンバーは、日々学びながら丁寧に対応してくれています。アカデミーを楽しみに来てくれる子どもたちの元気な笑い声が何よりの励みです。

(株)WALLESS

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