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働きやすい環境でなければ会社の成長は無いと一念発起し働き方改革に取り組む

永森 智子 44歳


一人ひとりの能力を無駄にせず、安心して仕事ができる環境を提供したい


経営企画課に在籍し、社員の働き方改革をすすめている永森さんが、結婚・出産を経て復職した女性の働き方に疑問を持ったのは数年前。「その頃、弊社では女性が育児をしながら働く場合は、時間の関係もありパート勤務となりました。積み上げたキャリアを活かすことができなくても、仕事が好きだからと辞めずにいてくれて。そんな先輩の姿を見て、若い女性社員たちから働き方を見直してほしいと声が上がり、ヒアリングをしたのがきっかけでした」。ヒアリングで見えてきたのは将来への不安と、働き方を選ぶことができる制度への期待だったとか。それは、女性だけでなく男性からも聞かれ驚いたといい、「制度を見直すなら対象は全ての社員。ライフスタイルが変わっても、それまでと同じ仕事に従事し、昇給・昇格があり、ボーナスや福利厚生も充実、収入面でも満足度が高い働き方ができなければなりません。短時間勤務を可能とし、休日もこれまで日曜は出勤日でしたが、日曜を休むことが選べるようにしました」とだれもが活躍できる場所となるよう周知し、正々堂々と利用できる体制を整えているといいます。





在宅勤務に新たな可能性を見出し、社員の働きやすさややりがいに繋げたい


新制度導入にあたり、新たに取り組んだのは在宅勤務。「感染症対策?」と思い聞いてみると、「それもありますが、女性管理職からヒアリングをした中で、課内の雑務を終えてから自分の仕事をしていると、どうしても帰宅時間が遅くなるという意見がありました。既婚者は、帰った後にもやることは山ほどあります。遅く帰ることでやるべきことが出来なかったと自尊心が傷つき、親失格だとか妻失格だと話す方もいました。そこで、帰った後の時間を増やそうと、月に4回在宅勤務を可能にし、自分の仕事に集中できる日を設けました」とのこと。また、これまでの県外に嫁ぐと辞めざるをえない状況が改善されたといい、「会社から40㎞以上離れたところに住んでいる方は、フル在宅勤務が可能になりました。さらに、遠距離通勤の方はフレックス勤務を選ぶこともできるようになりました。職責を全うしていただけるなら、時間にこだわらないという考え方です」と引き続き仕事をしたいという思いに寄り添う制度もスタート。これらが、まだ全社員に周知されていないことについては、「このような働き方があると記したものを掲示板に貼り、興味がある方は申し出てほしいと通知しています。随時話し合いの場を持っている状況です」とまずは制度を必要としている方から対応していくと話します。





制度を見直すことにより男性も堂々と利用できるようになり若い世代にも良い影響が


新制度がスタートすると男性社員から利用の申し出があったとのこと。「その方は設計士で、日曜を休日にしたいと申し出ました。もちろん制度利用について問題はありません。ただ、仕事量が多い方なので、現場は混乱するのではと心配したのですが、全員が「どうぞ」と言ってくれたそうです。理由が、スポ少の送り迎えや遠征の付き添いなどに参加したいからだということもあるのでしょう。若い社員が、自分も将来子どもができたらと思ってくれているのならより嬉しいですね」と個々のニーズに合わせた多様な働き方を選択できることを周知し、将来、私生活に変化があっても安心して働き続けることができる環境が整っている、何かあれば声をあげていいと思ってもらいたいと話します。さらに、ヒアリングを通して、若い女性マネージャーへの負担が大きいことが分かり、「今の制度では、独身の方は当てはまりません。また、結婚・出産後も変わらず働くことができる制度が整っていても、負担が大きいままでは短時間勤務を選ぶことができないでしょう。貴重な人材を手放すような状況を改善することが急務だと考えています」と今後も社員とともに改善し続けるといいます。





社員の声に耳を傾けだれもが働きやすい環境となるよう全力を尽くす


新制度導入は、社長の強い思いですすめられているといい、「社長がやると宣言したことで、社員が求めていることをすぐに検討し、速やかに導入することができるようになりました。利用者の事情はそれぞれ違うので、不都合があればその都度相談しながら改善しています」と働きやすさを向上させることが最優先だと話します。また、社員の思いを聞く機会を積極的に持つこと、若い社員の成長を促進させることを目的に、月に1回、上司と部下が1対1で面談を行う1on1を行っているとか。「部下主導で話しをすすめます。社員が求めていることを聞き取り、会社側と相違があれば話し合いをするなど、一つひとつ対応しています」。新制度導入は、社内だけでは成し得なかったといい、「外の様子や意見を知ることで見えてきたことがあります。なかなか解決しなかった問題が、いとも簡単に解決してしまったことさえありました。視点を変えることは簡単ではありません。しかし、誰のために、何のためにというところに戻ることができないと何も変わらない。変わりたいなら視野を広く持つことです」と断言。性別・年齢に関係なく、心地よくやりがいをもって働くことができる環境づくりは動き出したばかり。さらなる改革を目標に、休むことなく社員の声に耳を傾け続けます。






永森建設㈱

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