FUKUI
WORK STYLE CAFE

女性少数の職場から女性過半数の職場へ。仕事も家庭も大事にしたい。

井上 宙見 20代


入社してから検査分析業務に従事し、2度の育児休業を経て同じ部署へ復職。


検査分析グループに所属している井上さんは、2度目の育児休業から復職したばかり。現在短時間勤務を利用して働いています。「入社してから同じ部署で仕事をしています。仕事内容は、製品・原材料・工程品・研究品の分析を行います」。福井工業高等専門学校を卒業して20歳で入社。当初は分からないことばかりで、先輩に相談することも多かったとか。「先輩にはたくさんのノウハウを教えていただきました。最近は行けていませんが社外の研修にも参加しました。仕事で一番困るのは機械が止まってしまったとき。どうして止まったのか念入りに考えます」。定期的に分析機器の校正を行い、日々メンテナンスを行っているにもかかわらず、不調になることがあるとのこと。思いつく限りのことを試して調整していくといいます。





仕事は計画的に。急な子どもの体調変化には会社の制度をフル活用。


同じ部署に所属していても、担当する製品はその都度変わったという井上さん。育児休業から復職してからも検査分析をするには少し時間がかかったとか。「復職してから分析者のデータとすり合わせ、ようやく分析ができるようになりました。短時間勤務なので、いかに効率良く仕事をすすめるかを考えなければなりません。前日から、明日は何をするか時間配分を考えます。一つの分析に〇分、〇件を〇分と計画を立て、それを目安に進めます。使用する機械も安定するまでに時間がかかるので、準備を念入りに確認。計画通りに進めることができれば、時間内に終えることができます」。予定通り仕事を進めることができても、お子さんの急な体調変化に対応しなければならないことも。そんなときに助けになる制度があるようで、「子の看護休暇なのですが、子どもが小学生になるまで利用できます。時間単位の申請も可能で、子どもの病気にも柔軟に対応できます」といいます。井上さんが所属する部署は、入社当初女性社員が2人だったそうですが、この数年で半数以上が女性になり、子どもを持つお母さんも多く大変さもわかってくれて休みも取りやすいとのこと。





小学3年生まで短時間勤務を利用することができるのは幸せなこと。


女性が働きやすい環境は、入社当初から整っていたようで、「化学系の会社なので、会社全体でみれば女性よりも男性が圧倒的に多いのですが、だからこそ、女性が長く働き続けられる取り組みが進められてきました。福利厚生の充実は、育児をしながら活躍できる職場環境に繋がっていると思います」とのこと。とはいえ、育児休業からの復職には不安もあったようで、「私の席があるかなとか、以前と同じ仕事ができるのかなと考えていました。しかし、慣らし期間があり、作業の再確認ができるので、抵抗なく仕事に集中することができます」といいます。一方、プライベートは子育て中心のようで、「2人とも保育園に預けているのですが、そこは布おむつを使用するという指定。洗濯などの手間が大変ですが、上の子のトイレトレーニングは2歳半で終えることができました」と教育熱心な保育園に感謝しながらも、毎日の洗濯物や持ち物の準備は大変なようです。改めて短時間勤務は本当に助かっているという井上さん。「法律では3歳になるまで短時間勤務の延長が可能となっていますが、弊社は小学3年生まで可能です。夫が単身赴任で不在なこともあり、会社の制度に甘えさせていただき申請をしました」。日信化学工業では正社員で短時間勤務を利用したのは井上さんが2人目。今後制度を使用する方への見本となればと話します。





男性が多い職場でありながら、女性が安心して子育てができる会社だと知らせることが使命。


仕事に育児に大忙しの井上さんに、これから挑戦したいことをうかがうと、「まずは、新しい機械や分析方法をしっかり覚えること。お客様に出すデータは正確でないといけません。一つ間違えば再分析と時間がかかるだけでなく、間違った分析をして誤った分析値を出してしまう恐れあります。そのためにも普段から間違いを見逃さないようダブルチェックを励行しています。ほかにもスキルアップのためweb講習を受けていきたいです。また、入社当初から少しずつ進めてきましたが、さらに働く環境を良くしていきたいです。取り扱いに注意が必要な薬品を使うこともあります。使わないようにすることが一番ですが、まずは作業環境をより良くしていくことも引き続き進めていきます」といいます。効率化を図るため、分析の自動化も進められているとか。自動化にはデータとりや機器のメンテナンスなど時間や勉強が必要ですが積極的に取り組んでいきたいと話します。プライベートでは、「畑がしたいですね。子どもの食事にこだわっているので、安全な野菜を育てて食べさせたいと思っています。植物の成長過程を教えるためにも、子どもと一緒に楽しみたいです」とのこと。井上さんが良い見本となり、生活環境が変化しても、女性が安心して働くことができる会社になることを目指していきます。





人事から一言


男女雇用機会均等法の施工から数年前までは、歴史的にアンフェアだったものを、正しく戻すという過渡期だったと思います。仕事における優秀さに男女差がないことは、以前から変わっておりませんし、今後も変わりません。コロナショックは、働き方の変革の加速とともに職場における男女差においても、大きな変化の起点になると思います。外部研修や講習はweb中心になり、社内外の会議やミーティング、打合せもwebになりました。評価は働く時間ではなく、仕事の成果での評価が進むでしょう。パソコンや機器の導入は必要不可欠。できるところから始めていっているところです。同時に女性が働きやすい制度を見直しながら、出産・子育てを経てさらに働き続けたいと思っていただける会社となれるよう努めていきます。働き方はもちろん、全社員が働きやすく向上心を持てる環境を、一緒に作り上げたい。変化はチャンス。変化にチャレンジしてこそ 企業も個人も成長していくと考えています。