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トップの熱意とプロジェクトチームによるボトムアップの取組が男性育休を後押し

株式会社 福地


福井市パパ育休100%チャレンジ事業



チャレンジ宣言


男性育休をきっかけにすべての社員が多様で柔軟な働き方を実現し自由闊達な職場を目指す

課題


①取得者が出ても業務がまわる職場づくり
②社員満足度やモチベーションアップ
③対象者の把握から制度周知取得意向の声掛けの仕組み
④対象者に対する収入不安の解消


取組1:属人化や業務のかたより、抱える課題と向き合う


設計部では、属人化や業務のかたより、繁忙期の長時間労働に不安を抱えつつも、日々の忙しさに追われ業務改善に着手できずにきました。そのような中での社長によるパパ育休100%チャレンジ宣言をきっかけに設計部から対象者が出たこともあり、業務体制の見直しや情報共有などに取り組むきっかけを得ました。各自の仕事内容を表にまとめて見える化、業務量のかたよりの調整、知識不足解消のための勉強会を行うなど月1、2回ミーティングを実施し、取組の実行と検証を繰り返しながら、ブラッシュアップしています。成果が出るまでに時間はかかりますが、働きやすく高い成果が出せるチームを目指しています。

取組2:ボトムアップで働き方改革、モチベーションアップにつなげたい!!


今回の事業をきっかけに、工程部でも働き方改革に取り組もうと、子育て真っ最中のパパたち5名で推進チームを結成しました。昨年から新卒採用を強化し、来春にも入社予定がある中で、これから自社に必要なのは、ベテランから若手まで隔たりなくコミュニケーションが取れる環境と考え、取組をスタート。その1つとして、なんでも掲示板〝ふくちったー〟を設置しました。活用方法としては、例えば、社員が子育て期に使っていた遊具や三輪車譲渡を掲示板に載せて必要とする社員に呼びかけたり、忙しい時に応援してくれた社員へのサンキューメッセージなど、誰かに感謝を伝える場としての利用も考えています。

取組3:分からないから不安、だからこそ早い段階で対象者を把握、男性育休の選択肢を与える


育休中の収入がどうなるか、本人が家族と育休について考えるとき、これが重要な判断要素になります。また、法改正後、男性の育休は、実に様々な取り方ができるようになりました。だからこそ、対象者はもちろん、社員全員に男性育休の制度を知ってもらうことで、言い出しやすい環境をつくりたいと考え研修を企画。また、特に管理職には、意識改革と若手からの相談に積極的に乗ることができるように追加ワークも実施しました。早い段階で対象者の相談に乗り、家族で余裕をもって話し合う時間、納得して育休を選択できる仕組みづくりをすすめています。

成果と男性育休100%に向けて


トップのチャレンジ宣言、そこに込められた想いを受け、社員の心境、行動にも大きな変化が生まれました。また、男性育休がチームの働き方を見直すきっかけにもなり、「とりあえずやってみよう!」と〝チーム主体〟で動きだしました。業務の属人化を解消する取組を社内に広め、コミュニケーションを活性化することで、男性育休が当たり前の企業を目指します。


パパ育休アドバイザーからひとこと(合同経営社会保険労務士法人 社会保険労務士 坪井 香織 さん)


取組当初のメンバーの様子は、ややぎこちなく、発言も控えめな印象でした。ミーティングの回を重ねるごとに、充実した表情と意見の飛び交う活発な場に変わっていきました。“自分たちの職場を自分たちで良くしよう”というボトムアップと、トップの想いが良い相乗効果を発揮しています。働き方改革の取組に終わりはありません。今後も継続、定着させることで、育休が当たり前になる職場を目指してください。


育休取得予定者の声(設計部 兼八 洋介 さん)


育休取得を考えるようになったのは、遠藤社長から「男性育休のファーストペンギンになってくれないか」と声をかけていただいてからです。第1子のときは取得していないので分からないことだらけ。収入や取得時期・期間、特に出産予定日が繁忙期と重なることもあり、上司や同僚への負担が気がかりでした。一方で家族は、上の子がまだ1歳8カ月ということもあり育休取得に大賛成。育児はどうしても母親の負担が大きくなります。その中でも、父親も育休を取り一緒に育児をして、母親に育児以外の時間を作ってあげることが大切だと思います。
会社の担当者や社会保険労務士さんと相談して一つずつ不安を取り除き、まずは産後の時期に1週間取得し、繁忙期が終わったころに2回目を取得する予定です。引継ぎのため、自分の仕事内容を表にまとめたのですが、見える化することで問題や課題を認識できたことも大きな収穫です。


同僚の声(設計部 漆崎 汐里 さん)


育休は男女問わず取得できる環境にしたいです。今回同じ部署に男性の育休取得予定者がいることで、具体的な段取りや引継ぎを経験しました。忙しい部署だからこそ、お互いの仕事内容を理解し、支え合える体制作りは必要不可欠。引き続き休みやすく、働きやすい環境をつくっていきたいです。


同僚の声(工程部 江守 将也 さん)


パパ育休100%チャレンジ宣言をきっかけに、社内互助の風土を根付かせたいです。まずは、会社全体で問題に取り組む環境を築くこと。社員が繋がる場として食堂掲示板“ふくちったー”を設置しました。仕事に関係ないことに利用してOK。活用の幅を広げ社員のコミュニケーションを深めていきたいです。


経営者の声(取締役社長 遠藤 博幸 さん)


これまでのトップダウンの企業の体質を進化させる一つの取組として、パパ育休100%チャレンジ宣言をしました。まずは、私の考えを変えること。社員が幸せになるにはどうしたら良いかが一番の目的です。社員それぞれに考えや想いがあり、事情を抱えています。働きやすい環境を整えるには、働く当事者が考えやってみること。それは、品質と品格をモットーに115年続いた弊社が300年企業を目指すための原動力になります。若い社員が育ち、技術が受け継がれていく。新しい家具が生まれる。社員が夢をもって学び支えることができるよう一緒に取り組みます。


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